顔は歯科で決まる〜美人顔のゴールデンバランス〜
その①
美人と普通の顔は、ほんの数ミリのバランスの差で決まります。第1のポイントは、人中(じんちゅう)の長さです。
人中とは「鼻と口の間にある縦の溝」のことです。
ここが長いと、老人顔(老け顔)になります。
これは、上顎の歯が下方向(かほうこう)に移動した結果起こります。
歯が出てくるという事を萌出(ほうしゅつ)と言いますが、
永久歯が生えた後も、萌出はずっとおきています。
正しい噛み合わせであれば、
噛み合わせの力が上下の歯を押し戻す作用を発生させます。
ですから噛み合わせが良い方は、
鼻下から顎先までの縦の距離の経年変化が少ないです。
鼻下〜顎先までの距離が比較的短いために、
年齢を重ねても、若々しくみえるということです。
反対に、噛み合わせが悪い方は、
上下の歯がうまく噛み合わないために、
上の歯は下方向に、下の歯は上方向にと異常な方向に移動(萌出)し続けます。
その結果として、鼻下の長く見える顔になってしまうのです。
顔全体のバランスでみると、老け顔にみられてしまいます。
子供の顔を例に出すとよくわかります。
子供の場合は、鼻下から顎先までの縦の長さが短く、
それによって幼顔にみえるのです。
しかし、子供でも鼻先から顎先までの距離が長い子供がいます。
その子は、その年齢よりも上の年齢にみられます。
乳歯の段階の萌出の空間的な位置関係が良いか悪いかでも
子供の顔立ちに影響するのです。
大切な事は、上の歯も下も歯も、
永久歯が生えておしまいではなく、
常に移動(萌出)し続けていることを理解していただきたいのです。
だから、経年的に顔が変わる人が多いのです。
10代の頃の顔写真と今の顔写真を比べてみてください。
・人中(鼻と口の間にある溝の部分)の長さ
・顔の下半分(鼻下から顎先)の長さ
が変化していないでしょうか。
これまでの説明がご理解いただけると思います。
この歯の移動を適切にコントロールするためには、
①左右の顎関節の機能的安定
②咬筋(こうきん)を主体とした咀嚼筋(そしゃくきん)を正しく使うこと
③上下の歯が機能的な配列状態で噛み合うこと
が重要になります。
当院では、①〜③を満たす咬合矯正治療をおこないます。
その結果、顔バランスが良好な美人顏へと変化します。
これは上下の顔のゴールデンバランスだけの話ですが、
実際の顔は上下・左右・前後と立体的なバランスも整える必要があります。
次回は前後的な顔のゴールデンバランス(Eライン)について書きたいと思います。